Archivements 実績紹介
半導体製造装置
2007年頃、剛性が高く振動減衰能に優れる鋳鉄製の露光装置架台やフレームの引合いがありました。半導体製造装置の中で最も高精度が要求されるのが露光装置です。露光装置の性能を発揮するためには、ウェーハステージ等の案内・位置決め精度が極めて重要となります。基準面に対するLMガイドの取付面の平面度、平行度及び直角度の精度は年々厳しくなってきており、昨今では0.003mm/1000mmが要求されるようになってきました。
産業機械
2020年末、業務用カメラのレンズ枠部品の引合いがありました。
それまでの当社の生産品目は大物角型の部品が主でしたが、リング型で極めて高い真円度やはめ合い精度が要求されました。高性能・高精度のレンズを保持する筐体は軽量化を図るため、一般的にはアルミニウムが使われます。アルミニウムは鉄鋼と比較して非常に切削しやすいという利点はありますが、熱膨張係数が鉄鋼の約2倍と大きいことに注意が必要です。
工作機械
2010年にCNC立形複合研削盤増設に伴い、金属加工用工作機械の部品生産が本格化しました。
スライド、刃物台、ツールホルダー、チャックナット等ありとあらゆる工作機械部品の鉄鋼、鋳鉄等のありとあらゆる材料に加工対応しています。要求精度を満たすためには、熱処理でどう寸法が変わるかを見越して対処する技が必要です。金属の熱処理についての深い理解と経験と、これまで培ってきた知恵と工夫で工作機械部品の生産を行っています。これからも研鑽を重ねて参ります。
リニアモータ固定子
2013年頃、リニアモータの固定子に使われるヨーク(継鉄)の引合いがありました。
最初は3枚の板をボルトで締結してコの字型にした形状でしたが、コストを下げる提案をして、素材から削り出す一体化構造に変更されました。透磁率が大きいのは純鉄ですが、安価で容易に入手できる低炭素鋼が一般に使用されます。しかし錆びやすいのが難点で、めっき処理等が必要になります。めっき膜厚を含めての長さ・幅寸法、基準面の平面度、反対面の平行度等のスペックを満たさなければなりません。加えてキズ・バリ・打痕等の外観品質も厳しいレベルが要求されます。ミクロンオーダーの平面度を得るためには研削加工が適しています。当社は最大長さ3m及び最大径600mmまで研削加工できる設備を保有しており、多品種の加工に対応できます。
液晶フラットパネルディスプレイ製造装置
2007年頃からFPDパネルの前・後工程装置の駆動部やパネル接触部分に関連するステージ等に携わり、小サイズからG10.5の2940mm×3370mmガラスサイズまであらゆるFPD製造装置用の部品を生産してきました。軽量化を図るためFPD製造装置のベース、ステージ、テーブル等にはアルミニウムが使用されます。パネルが接触する面の粗さ、平面度は言うまでもなく、キズ・バリ・打痕等の外観品質も厳しいレベルが要求されます。
また、アルミニウムや樹脂等の柔らかい材料に直接タップを立てると、めねじが弱くて高い締結力が得られません。そこでヘリサートを代表とするステンレス製のコイル型のインサートナットを挿入することで、ボルトを強固に締結できるようになります。
ヘリサート挿入等の作業やバリ取りのような地味に見える作業でも正確に実行することが、お客様の信用につながっていると考えております。種種の手作業についての取組み姿勢とスキルと、これまで培ってきた知恵と工夫でFPD装置部品の生産を行っています。